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甦る農地=限界集落の再生を目指して=(令和3年3月3日更新)

ページID:0007758 印刷用ページを表示する 更新日:2021年3月3日更新

 今日は令和3年3月3日。3が並んで、なんだかハッピーな気持ちになりますね。

 いよいよ年度末となり、来月から始まる令和3年度が、コロナ禍を克服して本町の新しいまちづくりに取り組む契機の年となるように、まずは3月定例議会での事業計画や当初予算の説明に全力を注ぎたいと思っています。

 さて、私は4年前に町長に就任して以来、「住民が主役、地域が舞台のまちづくり」というスタンスを大事にしてきました。その一環として、松野町にある10の集落が、地域の魅力や個性を活用したコミュニティ活動を積極的に推進してもらうため、行政が黒子となって支援していく仕組みづくりに取り組んできました。それぞれの集落では、この想いを受け止めていただき、区長さんを中心に独自の地域づくり計画を立てて、自主的な活動に取り組んでいただいており、大変ありがたく感じています。

 しかし、どの集落も程度の差こそあれ、人口減少と高齢化によって活動の担い手が減少し、地域の活力が徐々に低下している現実があります。中でも、町の東側の山間部にある「上家地(かみいえじ)地区」では、地区内の人口が50人ほどに減り、高齢化率が50%を超える限界集落となっていて、このままでは集落消滅という最悪の事態もちらついてきました。

 一時期、東京や大阪では、コロナ患者の急増によって医療崩壊の一歩手前となり、トリアージの導入が、現実味を帯びてきました。トリアージとは、大規模な災害や事故が発生した時に、傷病者の緊急度や重症度に応じて治療の優先順位を決めることを言いますが、その中には、治療しても助かる見込みがないと判断した患者には、医療行為をしないという厳しい措置を含んでいます。

 私は、これと同じようなことが、集落に対して起きるかもしれない、そんな危機感を最近になって抱くようになりました。東京への一極集中や国の財政悪化などの代償として、限界集落のような過疎地域を、効率性や生産性の見地から切り捨てていく、そんなコミュニティのトリアージがもし起こるとすれば、それは民主主義の理念に反するものだと強く懸念しています。

 そのためにも、上家地地区をしっかりと存続させなければならない、地元の自助努力だけに期待するのではなく、町外からも含めていろいろな人の助けをいただきながら、あらゆる手段でコミュニティの維持を図らなければならないと考えていました。

 この呼びかけに応じてくれたのが、西予市に本社のある「太陽ファームグループ」さんです。上家地地区には、昭和50年代に開発した大規模な農地が3カ所ありますが、担い手不足などにより手入れが行き届かず、雑草や灌木が生い茂ったまま土地がかなりの部分を占めるようになりました。これらの耕作放棄地を一括的に「太陽ファームグループ」が借り受け、荒れ地を開墾造成してみごとなキャベツ畑に再生されています。さらに「太陽ファームグループ」では、このキャベツ畑だけでなく耕畜連携の大規模な農業モデルを構築するとともに、地域の自治活動や環境整備にも協力して、担い手として住民の皆さんとともに上家地集落を守っていきたい、そのようなありがたい言葉をいただいています。

 集落消滅の危機を、民間企業のスピードとパワーを借りて乗り越えていく、この地域住民と民間事業者、行政が三位一体となった取り組みは、担い手不足に悩む全国のモデルとなる可能性を秘めていると、大きな期待を寄せるとともに、調整役としての行政の責任をしっかりと果たさなければならないと決意しているところです。

上家地地区須山団地 キャベツ畑の苗植え付けの状況

上家地地区須山団地 キャベツ畑の苗植え付けの状況

上家地地区黒ヶ谷団地 開墾作業終了しこれから畑に再生

上家地地区黒ヶ谷団地 開墾作業終了しこれから畑に再生

1週間の公務の記録 =2月22日(月)~2月28日(日)=

○ 2月22日(月) 土地改良区理事会に出席

○ 2月24日(水) 議会全員協議会に出席

○ 2月25日(木) 入札会に出席

○ 2月26日(金) 宇和島地区広域事務組合議会定例会に出席