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四万十川のヌシ「アカメ」(令和2年8月26日更新)

ページID:0006838 印刷用ページを表示する 更新日:2020年8月26日更新

 残暑と呼ぶには、強烈すぎる暑さが続いています。

 どうぞ皆さま、コロナ感染症とともに熱中症にも気をつけてください。ご自分が自覚されている以上に、ダメージが身体に蓄積されていると思います。救急車で搬送されることにならないように体調管理に注意を払い、特に高齢の方は、電気代をもったいないと思わずエアコンの力に頼りましょう。

 さて、今週のコラムは、四万十川のヌシと呼ばれている怪魚「アカメ」がテーマです。私は、「釣りキチ三平」という漫画の大ファンで、たぶん同年代の男性はみんな共感していただけると思いますが、主人公の三平がアカメを釣り上げるシーンに、胸を躍らせたものです。そして、松野町のすぐ隣を流れている四万十川に、こんなにも巨大な怪魚が棲んでいるという事実に興奮して、いつかはメートル超の大物を釣り上げてやるという夢をひそかに持ち続けていました。しかし実際は、アカメの生息地は遥か遠くの下流の汽水域で、愛用のハヤ釣り竿では太刀打ちできないという現実を知り、願いは叶いませんでした。

 それから時は流れて、本町の観光振興の切り札として、四万十川がテーマの淡水魚水族館「おさかな館」の建設が決まり、私はその担当者として準備にあたることになりました。その時に脳裏に蘇ってきたのが、釣りキチ三平の「アカメ」の記憶です。おさかな館に四万十川のヌシは外せない、絶対に泳いでいる姿を展示しなければと思い、「アカメ」探しに飛び回りました。

 しかし、素人が簡単に釣れるものではないし、街中のペットショップで売っているような観賞魚ではないので、なかなか見つけることができずに、オープン予定日がどんどん迫ってきました。

 何とかせねば、そんな焦燥感が増してきた中、助け舟を出してくれたのは、四万十川河口のある釣具屋さん。そこは、全国からアカメを釣るために移住してきた釣り人達のベースになっていて、釣り人たちはアカメが釣れたらキャッチ&リリースで逃がしてしまうので、それをおさかな館にまわしてもらうように皆さんに頼んでもらいました。

 それからオープンまでの間、アカメが釣れたと連絡があると、すぐさまタンクを積んだトラックでアカメを迎えに行くようにし、おさかな館のオープン時には、20匹を超えるアカメを群泳させることができました。この結果、おさかな館は日本で一番、いやアカメは日本固有種なので世界で一番、アカメを飼育している水族館となりました。

 アカメは、環境省のレッドリストで「近い将来における野生での絶滅の危険性が高い種」という絶滅危惧IB類に指定されています。おさかな館では、飼育している個体で人工的に繁殖をさせて、種の存続に貢献したいと研究を続けていますが、今のところは成功していません。何とか近い将来に、おさかな館生まれのアカメの稚魚を、四万十川に里帰りさせることができるように、それがアカメを提供してくれた釣具屋さんや釣り人の皆さんへの恩返しだと思って、これからも飼育スタッフとともにがんばります。

アカメ アカメ

アカメ

迫力満点 餌のアジを飲み込むアカメ

1週間の公務記録 ※~8月23日(日)

 ○ 8月17日(月) 葬儀に参列

 ○ 8月18日(火) 愛媛地方税滞納整理機構議会定例会に出席

 ○ 8月21日(金) 史跡化後森城跡調査・整備検討委員会に出席