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施餓鬼会(令和2年8月11日更新)

ページID:0006756 印刷用ページを表示する 更新日:2020年8月11日更新

 コロナウイルス感染症が、第2波の到来という新たな局面を迎えたようです。

 7月下旬から、東京や大阪、愛知など大都市圏を中心に、爆発的ともいえる感染者の急増が起こっています。これからお盆や夏休みの期間を迎え、都市部から地方への人の動きが活発になることもあり、地方でも一気に感染が蔓延するのではないか、そんな不安が日本中に、そして松野町にも広がっています。

 一方で、お盆の期間は、先祖を敬い平穏な生活を願う特別な日々でもあります。都会から帰省を予定されている方も、自分がふる里にコロナを持ち込んではいけないという心配と、ご先祖のお墓に手を合わせたいという想いのはざまで、ずいぶん悩まれているのではないかと思います。難しい判断になりますが、このホームページの「重要なお知らせ」のコーナーに掲載している「夏休み・お盆の期間のコロナ感染症拡大防止対策について」も参考にされて、慎重に行動されますようお願いいたします。

 そのような状況の中、町内のそれぞれのお寺では、お盆の伝統行事である「施餓鬼会(せがきえ)」が行われ、私も先日、菩提寺である松丸の永昌寺での法要に出席させていただきました。

 この施餓鬼会という行事の由来を、和尚さんが解説してくれました。それによると、お釈迦様の弟子の目連という人が、神通力を使って亡き母の様子を見たところ、地獄で餓鬼となって苦しんでいた。そこでお釈迦様にどうしたら助けられるか教えを乞うと、食べ物を用意して経を唱え、心から供養するようにと言われ、その通りにすると母は救われた。だからお供えをして、先祖の供養をしなさいという教えだそうです。

 ちなみに、浄土真宗では施餓鬼会は行われず、曹洞宗では施餓鬼会ではなく「施食会(せじきえ)」と言うそうです。その理由を調べてみると、浄土真宗では、生前悪いことをした人が地獄に落ちて餓鬼になる、という考え方がもともとないそうです。また、曹洞宗では、施す側と施される側に貴賤の差がないので、餓鬼という言葉を使わないということでした。同じ仏教でもそれぞれの宗派で考え方の違いがあって、興味深いですね。

 ということで、曹洞宗のお寺である永昌寺の施食会は、出席人数の制限などコロナ対策をしっかりとしたうえで、例年どおりおごそかな雰囲気の中で執り行われました。小さな山寺の静かな本堂に、五人の和尚さんの読経が響き、線香の煙がゆっくりと立ち昇っていく様子は、喧騒にあふれた日常を忘れさせてくれる穏やかで貴重なひと時でした。あまり信心深い人間ではない私も、今の自分があるのはご先祖のおかげだと、素直に感謝の気持ちが湧きました。残念ながらこの殊勝な気持ち、翌日にはさっぱり忘れてしまいますが・・・

 過疎化高齢化によって、このような伝統行事の継承が難しくなっていますが、私たちは、町外に出られた方からふる里を託されているという責任感を持って、地域に連綿と伝わる文化や生活様式などを、しっかりと次の世代に受け継いでいきたいと思います。コロナが収束して、皆さんが松野町に来られるときに、ああこんなに美しいもの、古き良きものが残っているんだと喜んでいただけるように。

永昌寺 施食会
永昌寺 施食会

1週間の公務記録 ※~8月9日(日)

 ○ 8月3日(月) 中平正宏四万十市町と意見交換

            7月臨時議会に出席

            定例庁議に出席

            国土強靭化地域計画策定検討会議に出席

            宮崎雅夫参議院議員と意見交換

 ○ 8月4日(火) 岡原文彰宇和島市長・兵頭誠亀鬼北町長と意見交換

 ○ 8月5日(水) 県・市町連携推進本部会議にリモート出席

            松野四万十バイクレース実行委員会に出席

            森の国戦国絵巻のまちづくりプロジェクト実行委員会に出席

 ○ 8月7日(金) 北宇和広域営農団地推進協議会総会に出席

 ○ 8月8日(土) 永昌寺施食会に出席