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南高梅の収穫(令和2年6月16日更新)

ページID:0006479 印刷用ページを表示する 更新日:2020年6月16日更新

 先月末に梅雨入りした松野町ですが、「梅雨」という言葉のとおり、これから梅の収穫がピークを迎えます。

 温暖な気候と豊かな土壌に恵まれた本町では、農家の皆さんの長年培われてきた技術と惜しみない愛情に育まれ、桃や柚子など様々な農産物が生産されています。町内のあちこちで栽培されている梅も、本町を代表する特産作目のひとつで、農家が丁寧に収穫した完熟梅が、一次加工を担当する農林公社に出荷されはじめ、施設内には桃のような甘い香りが満ちています。

 町内に主に植えられている梅の木は「南高梅」という品種で、和歌山県のみなべ町が発祥の地で、果実は大きくて柔らかく、梅の最高級品と評されています。松野町では、平成の初めごろに和歌山県から苗木を導入し、産地づくりに取り組んできました。一時は中国産の梅の輸入増加によって値崩れが起こり、大変苦しい時期がありましたが、近年は食の安全と健康を優先する消費者のニーズもあって価格が安定し、生産者の皆さんにも喜んでいただいていると実感しています。今年も、例年並みの35tの集荷を見込んでいます。

 さて、農家から受け入れた完熟梅は、どのようにして梅干しに加工されて店頭に並ぶのでしょうか。ここでは、本町での一番代表的な例をあげ、これからの課題を抽出してみます。

 まず、生産農家が完熟梅を収穫し、農林公社に持ち込みますが、それを1kg約100円で買い取ります。農林公社は、これを塩漬け、天日干しなど一次加工をして10kg樽に漬け込みます。この時、梅の重さは水分が抜けて約半分になるので、10kg樽には生梅20kg分が入っていますが、これを1樽約5000円で出荷するので、1kg当たり250円の価値となります。

 出荷先は、和歌山県のみなべ町にある老舗の加工場で、ここで最終的な味付けや包装をして、その一部は松野町産南高梅として里帰りし、県内のスーパー等で売られることになりますが、なんとその価格は500gで1800円!

 先ほどの理屈で、500gの梅干しは1kg相当の生梅が原料となっていますが、それにしても農家が一年かけて丹精込めて作った原料の梅が、加工と流通を経て商品になると18倍の価値を持つということは、驚きよりもため息が出てしまいます。なんとかその最終的な加工のノウハウや施設を持てれば、農家にもっと利益を還元できるのに、と悔しい思いをしています。

 この構造的な課題は、農産物全般に言えることですが、地域経済の活性化を図るためには、産地で原料を加工し流通に乗せる6次産業化が有効であることは明白です。それには長い年月と莫大な投資が必要であり、実際に導入するとなると大きな決断が必要となりますが、本町でも、農林公社をはじめ関係機関団体が連携し、この6次産業化に取り組んでいきたいと思います。

 まずは、熱中症対策としても有効なので、松野町産の梅干しの消費拡大にご協力をお願いします。

完熟梅の選別の様子(農林公社)
完熟梅の選別の様子(農林公社)

1週間の公務記録 ※~6月14日(日)

 ○ 6月 8日(月) 鬼北地域農業振興協議会監査

 ○ 6月 9日(火) 議会全員協議会に出席

 ○ 6月10日(水) 区長会に出席

             松野町農業再生協議会総会に出席

             (株)松野町農林公社業務報告会に出席

 ○ 6月11日(木) 議会運営委員会に出席

             臨時庁議に出席

 ○ 6月12日(金) 県・市町合同感染症対策テレビ会議にリモート出席