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熊本地震の記憶(令和7年9月11日更新)

ページID:0016065 印刷用ページを表示する 更新日:2025年9月11日更新

 9月1日は「防災の日」、大正12年のこの日に首都圏を襲った関東大震災は、死者10万5千人、全壊および全焼家屋が32万戸という壊滅的な被害をもたらしました。これを教訓に、国民ひとりひとりが防災対策の重要性を理解し、地震や台風などの災害に備える心構えをしようというのが、「防災の日」制定の理由だそうです。

 その成果が問われるのが、今後30年以内に80%の確率で発生すると予測されている「南海トラフ巨大地震」。全国での死者数は最大29万人、全壊および消失する家屋は230万棟に達すると推計されていて、最悪の場合の想定値とは言え、死者数はなんと関東大震災の3倍、そしてまだ記憶に新しい東日本大震災の10倍以上という、想像を絶するレベルとなっています。津波の直接的な被害のない松野町でも、死者数55人、被害家屋が900棟を超えるとの予測もあり、高齢化が進む小さな町にとって、この地震によって地域社会の存続そのものが危うくなるのではないかと考えています。

 

 この未曽有の大災害、人間の力で発生を抑止することはできませんが、事前の準備、心構えによって、被害の大きさは全然違ってきます。そのヒントを探るために、町民の代表である町内10部落の区長さんとともに、平成28年4月に続けざまに2度の震度7の大地震が襲った熊本県に研修に行ってきました。目的地は、熊本地震の記憶を未来に語り継ぐために、旧・東海大学阿蘇キャンパスの敷地内に整備された「熊本地震震災ミュージアムKIOKU」です。

 雄大な阿蘇山の麓にあるこの施設は、3つのパートで構成されていて、実際に震災に遭われた地元の高齢の方が、わかりやすくガイドをしてくれます。まず展示室1では、熊本地震の被災状況をリアルに伝える映像や押しつぶされた乗用車などが展示されていて、続く展示室2では、巨大なジオラマで熊本地震の発生メカニズムや周辺の活断層の分布を学習することができます。そして最後のパートは、地震直後の被災した姿を保存した東海大学阿蘇キャンパス1号館と、その建物を切り裂くように地表を走る断層面。圧倒的な地震のパワーを目の当たりにして、やがて来る南海トラフへの漠然とした不安が、急に現実的な恐怖として感じられるようになりました。この施設、ぜひ多くの皆さんに来ていただき、地震の脅威を正しく認識し、正しく恐れるきっかけにしてもらえればと思いました。

 

 ガイドをしていただいた男性は、震災で自宅が全壊したそうです。その体験談では、「発災後の3日間はすべてが混乱していて情報もなく、避難所での生活も食料や水が不足して劣悪な環境で、絶望感しかなかった。やがて支援のボランティアや物資が到着して徐々に改善したが、最初の3日間をどう乗り切るかが大事。」ということでした。

 この「最初の3日間」、南海トラフの際にも、公的な支援「公助」が届かないという想定のもとで、地域の皆さんが助け合う「共助」によって、困難な状況を克服していただかなければなりません。そのためには、日ごろから地域の絆の重要性を共有し、隣近所で困ったときはお互いが手を差し伸べる関係性を築いていることが大事だと思います。そして、松野町ではその素地が十分あると、私は確信しています。行政といたしましても、「住民が主役、地域が舞台のまちづくり」の一環として、それぞれの部落の「共助力」が強化されるように、さらに支援に取り組んでまいります。

 

熊本地震震災ミュージアムKIOKU   

熊本地震震災ミュージアムKIOKU

東海大学阿蘇キャンパス1号館

東海大学阿蘇キャンパス1号館

 公務の記録 =8月30日(土曜日)~9月11日(木曜日)=

〇8月30日(木曜日) 永昌寺灯篭流しに参加

〇8月31日(日曜日) 宇和島市長選挙結果報告会に出席

〇9月1日(月曜日) 議会全員協議会・議会運営委員会に出席

         定例庁議に出席

〇9月2日(火曜日) 日赤愛媛県支部事務局長ほかと意見交換

〇9月3日(水曜日) 葬儀に参列

         町政座談会(豊岡前)に出席

〇9月4日(木曜日)~5日(金曜日) 区長会研修旅行に同行

〇9月7日(日曜日) 愛媛県総合防災訓練を観覧

〇9月8日(月曜日) 全国植樹祭木製地球儀巡回展示・記念植樹式に出席

〇9月9日(火曜日) 9月定例議会に出席

〇9月10日(水曜日) 敬老式に出席

         区長会に出席

〇9月11日(木曜日) 議会総務常任委員会に出席

         宇和島地区広域事務組合運営審議会に出席