松野町役場のある松丸地区は、伊予と土佐の交易の中心地として宇和島藩によって保護されてきた歴史があり、江戸時代から戦前までは多くの人が行き交うにぎやかな宿場町でした。今でも、「松丸街道」と呼ばれていて、現存する造り酒屋や大店などの情緒ある街並みが、古き良き時代の面影を偲ばせてくれます。しかし最近は、過疎化の進展で空き家も増えてきていて、家屋を撤去して更地になったところも目に付くようになりました。
この貴重な「松丸街道」の町並みを、これからどのように保存活用していくのか、行政としてもなかなか妙案が出ない中、地元松丸地区の皆さんや本町出身の大学生、近隣市町の地域おこし関係者など約20名が参加して、「楽しい!かわいい!をつくる松丸大作戦」というワークショップを立ち上げて、ユニークな提案をとりまとめていただきました。参加者の皆さんには、9月の1か月間にわたり、平日はリモートで話し合いを重ね、週末は現地を視察するなど本当に熱心に取り組んでいただきました。ありがとうございました。
松丸大作戦のプラン策定までの手順は、まず街道沿いの家の中から、立地条件や保存状態、歴史的な経緯などを踏まえてモデルとなる建物を選定し、ふたつのグループに分かれて活用方法を検討しました。Aグループは10年前に廃業したうなぎ屋「松坂亭」、Bグループは最近町外へ転出されて空き家になった「S氏宅」が対象です。ちなみに、「松坂亭」は私の実家で、廃業した原因は「うなぎを食べられない跡継ぎ(私のこと)」というところが大きいのですが、まあそこのところは黙認いただき、ふたつの案ともとてもユニークなアイディアが満載で、感心しました。グループのリーダーとしてプランをとりまとめた本町出身の大学生、川上夢叶さん、高内俊弥さんに拍手です。
そして、その成果を発表するワークショップの最終回が、10月1日に開催されました。
まず、Aグループの「松坂亭」のテーマは、「うなぎのひまつぶし」。うなぎにこだわった内容で、ちょっと贅沢なうなぎ料理を提供しつつ、うなぎの生簀のバーカウンターで一杯、うなぎの寝床(!)で宿泊もできる、日常と非日常が混在した多機能スペースとしての活用が提案されました。
また、Bグループ「S氏宅」のテーマは、「KAGONOMORI CAFÉ」。中世城郭河後森城を借景とした立地条件を活かして、家主さんの趣味である野鳥観察をテーマにしたゆったりとくつろげるカフェやゲストハウスを開業し、地域の皆さんの憩いの場、町外からの来訪者との交流の場に利用しようとするものです。
松丸街道は、歴史的、文化的な価値があるだけでなく、私たちの現在の生活の場でもあります。この貴重な資源を、そのままの形で次の世代に伝承することはもちろん大事なことですが、今を生きる私たちが新しい使い方を考え、価値を高めて情報を広く発信するとともに、住環境としてさらに利便性を向上させることも重要です。今回のワークショップからの提案は、保存と活用の両面からのアプローチが必要だということを再認識することができ、また松丸街道の町並み保全に、民間の視点ならではの新しい刺激を与えていただくことになりました。
参加者の皆さん、どうぞ提案だけで終わることなく、次の具現化のステップでも積極的にご参画、お力添えをいただきますようお願いいたします。
ワークショップの様子
改修後の完成模型
〇 9月28日(木曜日)
四国四県町村長・議長大会に出席(香川県)
〇 9月29日(金曜日)
鬼北町ジビエペットフード加工処理施設業務開始式に出席
住民座談会(豊岡前部落)に出席
〇 9月30日(土曜日)
松野西小学校運動会を観覧
〇 10月1日(日曜日)
国道381号清掃ボランティアに参加
「楽しい!かわいい!をつくる松丸大作戦」ワークショップに出席
〇 10月2日(月曜日)
定例庁議に出席