俳句ポスト10月入選句(芝不器男記念館長選)
佳作
梵鐘や金木犀の香に乗りて
秋日和不器男座したる椅子に座し
きんもくせい不器男の句碑を抱くように
優秀
こおろぎや二人だけの夕餉かな
田を守るアンパンマンの案山子かな
萩咲くや偲べど遠し家郷かな
訪のふて母と一日の菊日和
新米やふっくら炊けて供えけり
秋の草日に三本のバスを待ち
寝そびれて森のこゑ聴く良夜かな
公園に忘れ帽子や秋の暮
好きな句と会ふ不器男の家の時雨時
ガラス吹く独りの女秋暑し
山愛し詩を愛して秋の蝶
午後二時の明治の時計秋深む
木犀の一日匂ふ庭仕事
過く秋を子規の町にて惜しみけり
四万十町 土居 徳一
宇和島市 脇谷 梨花
宗像市 池田 守一
四万十町 土居 徳一
鬼北町 松田 ツル子
松野町 駒山 忠夫
八幡浜市 二宮 節子
八幡浜市 前田 夘一
鬼北町 中尾 正
宇和島市 脇谷 梨花
鬼北町 松田 ツル子
松山市 武智 和美
砥部町 浅野 誠雄
松山市 岡本 典子
伊予市 門田 冬子
鬼北町 中尾 正
前橋市 赤松 昭光
「秋日和不器男座したる椅子に座し」
深まる秋のひと日、記念館内のしじまの中で芝不器男という詩人を偲び手の一句。かつて芝不器男もここに座しもの思ひにふけったのだろうかと秋の深まりが一入の感。