平成23年度
俳句ポスト3月入選句(不器男記念館長選)
3月は該当句がありませんでした。
俳句ポスト2月入選句(不器男記念館長選)
秀作 具沢山男所帯の根深汁 佳作 川べりの風はつめたし畦を焼く とぶはとぶ杉の花とび村眠る 算盤(そろばん)の一玉五玉不器男の忌 訪ね来し不器男生家の梅香る 山の子の一人遊びや落椿
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八幡浜市
鬼北町 八幡浜市 四万十町 黒潮町 鬼北町 |
前田 一夘
中尾 正 二宮 節子 山本 由美 戸田 ゆき子 中尾 正 |
館長の視点
「具沢山男所帯の根深汁」の句。このようなつぶやきに似た俳句のユーモアは読む人の心をなごませてくれる楽しさが匂っている。年齢を重ねた方の自分のくらし向きの一コマを詠まれたものとして共感を呼ぶ作風である。この方の他の投句に「蘊蓄(うんちく)の二言三言懐手(ふところで)」の句もある。それこそ蘊蓄の深いインテリゲンチャらしさのつぶやきに外ならぬ。俳号「一夘」氏の益々の蘊蓄深い俳句を懐手をしながら私たちに見せて貰いたいものだ。
俳句ポスト1月入選句(不器男記念館長選)
佳作 初霜や犬撫でてより出勤す |
鬼北町 |
中尾 正 |
館長の視点
「初霜や犬撫でてより出勤す」の句。 出かける前の犬への思いやりの一こまである。寒い朝である。つながれている犬もきっと寒いであろうとの愛犬に対しての飼い主の心情が読み込まれている。こうした日常茶飯事の所作を短詩型に込める感性は、心の豊かな人のあらわれなのである。松野町はこのような「心」豊かな人情の人々であふれているのであろう。
俳句ポスト12月入選句(不器男記念館長選)
佳作 撫子や吉野川原の夕まぐれ 分校に裏木戸一つ草の花 山茶花の庭へ日差のまはり来る 湯の町をめぐる楽しさ野菊晴 散り染めし銀杏大樹(たいじゅ)の古刹(こさつ)かな 雨に煙む深山の里や冬ざるる 気丈なる母の面影息白し 恙(つつ)がなき日の暮れにけり冬至の湯 | 佳作 鬼北町 鬼北町 鬼北町 鬼北町 松野町 松野町 松野町 松野町 | 佳作 中尾 正 中尾 正 中尾 正 中尾 正 駒山 忠夫 駒山 忠夫 駒山 忠夫 駒山 忠夫 |
館長の視点
「恙がなき日の暮れにけり冬至の湯」について。このような詠みぶりは念頭に自然に浮かんできたことばそのままの、つぶやきに似た句であり、「俳句的」ではないが、このような日常のくらしを俳句的だと読み解してもひとつの読解力に通じるものであろう。
俳句ポスト11月入選句(不器男記念館長選)
佳作 揺れながら気侭に生きん烏瓜 秋寒や日毎深まる山の色 呼ぶ声のどこなにありて木の葉散る 瀬の音に黄落しきり森の宿 石蕗の影揺らぎをり不器男句碑 不器男碑の句碑めぐりけり石蕗の花
| 佳作 八幡浜市 鬼北町 松野町 ひたちなか市 鬼北町 宇和島市 | 佳作 二宮 節子 中尾 正 駒山 忠夫 木脇 紀美子 中尾 正 高橋 幸代 |
館長の視点
「呼ぶ声のどこかにありて木の葉散る」について。どこからか人が人を呼ぶような秋の静かな昼間がイメージされる一句である。人声と散り落ちる木の葉とを採り合わせた情景と「秋」という自然の日中の世の中を詠った情景がかもし出されている。言いきってしまうとそれは説明の表現になってしまうが、言わないで言う、という詩の真髄に触れる表現が生きている名句と言えそうである。
俳句ポスト10月入選句(不器男記念館長選)
佳作 虫の音や夢に誘(いざな)ふ日暮れ径 朝霧やイソップ童話の幕開く 野良猫のついて来る道萩の花 山寺の狭き参道秋桜 秋冷や松野の里の句碑撫でし 応援の母立ち上がる運動会 ひぐらしの寂しき声や夕間暮 露天湯に病葉浮いて峡の宿 | 佳作 松野町 松野町 鬼北町 鬼北町 四万十町 鬼北町 鬼北町 西予市 | 佳作 駒山 忠夫 駒山 忠夫 中尾 正 中尾 正 山本 撫子 松田 ツル子 松田 ツル子 松下 和子
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館長の視点
中尾 正氏作の「野良猫のついて来る道萩の道」の一句は日常よくある経験をさらっとつぶやくように詠じた句である。日頃の茶飯事の感を「萩の花」と採り合わせた詠じ方は、この方の感性の鋭い力に他ならない。作者の中尾氏の歓声は生活を見つめる中で浮んでくるつぶやきに似て何のてらいも無く読まれる特徴があり感心させられる。
俳句ポスト9月入選句(不器男記念館長選)
佳作 万年橋日照雨に光る初もみじ 深々と澄みし空谷秋鴉 滑り落つ秋水岩に弾けけり 滑床の木々それぞれに紅葉づれり 霧走る熊笹原の道細し 彼岸花母の面影しのびつつ 想い出は遠き日々なり盆帰省 とんぼうの翅音不器男の筆まろし 三百の風鈴響く山の駅 路地裏は夕餉の匂ひ秋の風 | 住所 松山市 松山市 松山市 今治市 鬼北町 宇和島市 松野町 松山市 宇和島市 鬼北町 | 氏名 榊原 浩子 杉野 祥 梅木 由紀美 横田 喜子 中尾 正 酒井 悦子 駒山 忠夫 大野 フミエ 高橋 幸代 中尾 正 |
館長の視点
紅葉のはじまった森を橋上から眺めた感動だろうか。「日照雨(そばえ)」と取り合わせた感じ方は俳人ならではの感性の至らしむる感動である。単なる紅葉の美しさが日照雨上りに一際見栄えたのだろう。秋めいてくる渓谷の美が感動的に詠まれた秀句といえる。
俳句ポスト8月入選句(不器男記念館長選)
秀作 病状も聞かぬも見舞ひ油照り 愛告げし遠きあの日のソーダ水 佳作 風鈴のいっせいに鳴る里の駅 秋立つや君の紫煙を見てをりぬ ゆれる橋かなかなぜみと孫の声 孫と遊くかなかなぜみの声の中 滑床の瀬音に競うせみしぐれ 父と子の川原遊びや雲の蜂 建設のショベル唸りし炎暑かな ひと鳴きの電線一列燕の子 百合の香にときをり気づく山の昼 四万十へ向かふ車窓へ百日紅 夏の朝祖母と二人で森走る | 秀作 八幡浜市 八幡浜市 佳作 宇和島市 幸田町 高知市 高知市 松山市 松野町 松野町 松野町 鬼北町 対馬市 松山市 | 秀作 二宮 節女 前田 一夘 佳作 山本 ことみ 吹原 和子 泉谷 節子 泉谷 節子 騎馬 匡良 駒山 忠夫 駒山 忠夫 駒山 忠夫 中尾 正 志水 きよじ 大野 真奈 |
館長の視点
今月は八幡浜市の二宮節女さんの句を優秀句に選ばせて頂いた。俳句を鑑賞する際には「秘められた心情を詠もう」と深読みする姿勢が大切で、そうすることで表に出ていない心の内が読み解けるのである。「言わないで言う」という詠み手の詩情を想像することが短詩形の読解姿勢でなければならない。それが「五・七・五」という日本独特の俳句の読解姿勢であってほしいし、作詩姿勢でもなければならない。日本古来の「ことば」のもつ美しさに触れるように詠み、又それを深読みする勉強に精進したいものだ。
俳句ポスト7月入選句(不器男記念館長選)
7月は該当句がありませんでした。俳句ポスト6月入選句(不器男記念館長選)
秀作 若葉より若葉へ渡る山の風 佳作 風鈴に一句添へたる山の駅 白い竜流れ落ちるよ出合滑 滑床の水元気良く初夏の色 暮れなずむ深山の里の時鳥 山寺へあとひと息や七変化 |
鬼北町
鬼北町 東大阪市 東大阪市 松野町 鬼北町 |
中尾 正
松田 ツル子 萩原 莞二 萩原 莞二 駒山 忠夫 松田 ツル子 |
館長の視点
若葉より若葉へ渡る山の風
常連の中尾さんの一句である。山の風の心地よさを何のてらいやよどみもなくさらっとつぶやくが如く詠んだ姿が評価される。吹く風が「若葉」を揺らしつつ、そよ風らしい山の気配を感覚的に捉えた感性の豊かさが感じられる。そこにものへの感性の豊かさがある。
俳句ポスト5月入選句(不器男記念館長選)
秀作 葉桜の振舞ふ風にもてなされ
佳作 大岩に蟻一匹や峡の道
わらんべの笑顔あふれる田植かな
つゆのなかみんなでめぐるさかなかん
げんげ咲く棚田に風の小競り合ひ
抱き合って桜の下の道祖神
捨て難し児の摘み呉れしつくしんぼ
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西予市
岡山市
松野町
松山市
鬼北町 □ 鬼北町
鬼北町 |
森川 英子
正垣 セツ子
駒山 忠夫
渡辺 桃夏
中尾 正
中尾 正 □ 宮崎 きくを |
館長の視点
今回は、佳作句の中から取り上げたい。「大岩に蟻一匹や峡の道」の句。深山渓谷に見かけた蟻一匹の姿にこの作者は何を感じ、何を想ったのでしょうか。写生と心情を重ねた「心情句」として評価できる。よく見かける情景ではあるが、詩心(しごころ)が湧き出て一匹の蟻の動きを詩的表現した写生と心情の重ね方がすばらしい句。
俳句ポスト4月入選句(不器男記念館長選)
佳作 桃の花不器男に会えたウォーキング 校庭の子らの歓声花吹雪 風光る道の駅にも投句箱 六十歳尚夢あり里の春を詠む かくれ宿鹿さる人も春を待つ 被災地のニュース終日春寒し 音もなくこぼれて散って花むしろ マンボウのでかい顔して山笑ふ 薫風よ宮城の地へと夏を呼べ 声あがる潜水橋や風光る そよ風や髪に止まりし桜かな なの花が「春がくるよ。」とおしえてる | 佳作 松山市 鬼北町 鬼北町 松野町 岡山市 黒潮町 黒潮町 鬼北町 松山市 松山市 黒潮町 鬼北町 | 佳作 松江 ミツエ 中尾 正 中尾 正 駒山 忠夫 井上 純一 戸田 ゆき子 戸田 ゆき子 宮崎 きくを 政石 薫映風 和田 太郎 戸田 ゆき子 三笠屋 優花 |
館長の視点
「桃の花不器男に会えたウォーキング」 この句は松野の里の一代イベントを象徴する句として選ばせていただいた。「桃源郷 まつの」に住む者として心打たれる一句である。
桃の花とウォーキングのとりあわせにも妙を感じる。桃源郷マラソンを念頭においた象徴的俳句の秀作である。
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