○松野町職員のハラスメント防止等に関する要綱

令和3年6月1日

訓令第9号

(目的)

第1条 この訓令は、職場におけるハラスメント等の防止及び対応に関し必要な事項を定めることにより、全ての職員(臨時的任用職員及び非常勤職員を含む。以下同じ。)が、互いの人格を尊重し合い、職員の利益の保護及び公務能率の向上を図るとともに、働きやすい良好な職場環境づくりを促進することを目的とする。

(定義)

第2条 この訓令において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) ハラスメント等 セクシュアルハラスメント、パワーハラスメント、モラルハラスメント、妊娠、出産、育児又は介護に関するハラスメント及びその他の不適切な行為をいう。

(2) 職場 職員が職務に従事する場所をいい、当該職員が通常勤務している場所以外の場所及び懇親等の場等であって当該職員の職務と密接に関連するものも含む。

(3) セクシュアルハラスメント 性別を問わず他の者を不快にさせる職場における性的な言動及び他の職員を不快にさせる職場外における性的な言動並びに不利益を生じさせ、又は就業意欲を低下させる行為をいう。

(4) パワーハラスメント 職務に関する優越的な関係を背景に、意識的であるか無意識的であるかを問わず業務の適正な範囲を超えて、職員の人格若しくは尊厳を侵害する言動を行い、精神的・身体的苦痛を与え、又は職員の勤務環境を害することとなる行為をいう。

(5) モラルハラスメント 職場において他の職員に対し、言葉、態度、身振り、文書等により人格若しくは尊厳を侵害したり、精神的・身体的苦痛を与え、当該職員が職場を辞めざるを得ない状況に追い込んだり、又は職員の勤務環境を害することとなる行為をいう。

(6) 妊娠、出産、育児又は介護に関するハラスメント 妊娠、出産、育児又は介護に関する否定的な言動及びその他本人の意図にかかわらず人格と尊厳を傷つける言動で、他の職員に不利益や不快感を繰り返し与えるものをいう。

(7) その他の不適切な行為 第3号から前号までのように明確に定義されていないが、行為者本人の意図にかかわらず、職員の人格と尊厳を傷つける言動で、他の者に不利益や不快感を与えるものをいう。

(所属長の責務)

第3条 所属長は、ハラスメント等を防止するため、次に掲げる措置を講じなければならない。

(1) 良好な職場環境を確保するため、日常の業務における指導等を通じ、ハラスメント等の防止及び排除に努めること。

(2) 職員から苦情相談等があったとき、又はハラスメント等に起因する問題が生じたときは、適切かつ迅速に対応するとともに、再発防止に向けて職員の意識啓発その他の必要な措置を講ずること。

(職員の責務)

第4条 職員は、互いの人権を尊重するとともに、次に掲げる事項に留意し、ハラスメント等をしてはならない。

(1) ハラスメント等に対する認識を深めるとともに、ハラスメント等の態様等によっては、服務規律違反に該当するものとして懲戒処分に付される場合があることを認識し、他の職員への指導や助言に当たっても常に自身の言動に注意を払うこと。

(2) ハラスメント等が個人のみならず組織の問題であるとの認識を持ち、その解決に向けてハラスメント等防止対策が確実に行われるよう、所属長が講ずる措置に協力するよう努めること。

(所属長が認識すべき事項)

第5条 所属長は、ハラスメント等の防止のため、次に掲げる事項を認識しなければならない。

(1) ハラスメント等に起因する問題は、直接の被害者に生じる被害等の当事者間の問題のみならず、職場内の人間関係の悪化、士気の低下等の職場又は組織全体に悪影響を及ぼす重大な問題であること。

(2) 達成不可能な業務の強要、私生活への不必要な介入、人権侵害となるおそれがある言動等は、厳に慎むべきであること。

(3) 職員は、上司等の言動に疑問が生じた場合であっても、上司等に対して反論し難い立場であること。

(4) ハラスメント等に該当することとなるのは、特定の言動に限られるものではなく、職務に対する取組姿勢、平素の言動その他の総合的な態度がこれに該当する場合があること。

(5) 職員の制度等の利用により、当該職員の周囲の職員の業務負担が増大する場合において、業務体制の見直しその他の必要な措置が講じられないときは、その状況が、妊娠、出産、育児又は介護に関するハラスメントの原因又は背景となること。

(6) 職場において職員に指導を行うに当たっては、当該職員の性格及び能力を十分に見極め、適切な言動により行うべきであること。

(職員が認識すべき事項)

第6条 職員は、ハラスメント等を行わないため、次に掲げる事項を認識しなければならない。

(1) セクシュアルハラスメントに関する事項

 性に関する言動に対する受け止め方は、個人間や男女間で差があり、特定の言動がセクシュアルハラスメントに該当するか否かについては、受け手の判断にとどまらず、客観的にも判断されるものであること。

 特定の言動がセクシュアルハラスメントに該当する場合であっても、地位、職権その他の職場における立場から、受け手において、それを明確に指摘し、又は拒否することができない場合が多いこと。

 相手が拒否し、又は嫌がっていることが分かったときは、同じ言動を繰り返さないように注意する必要があること。

 勤務時間外においても、職員間の言動がセクシュアルハラスメントとなることのないように注意する必要があること。

 職務に従事する際に接することとなる職員以外の者との関係においても、その言動がセクシュアルハラスメントとならないように注意する必要があること。

(2) パワーハラスメントに関する事項

 パワーハラスメントは、指導を名目に職員の個人としての尊厳を不当に傷つけ、回復困難な精神的損傷を与えるおそれがあること。

 パワーハラスメントを行っている職員には、パワーハラスメントを行っているという自覚がない場合が多いこと。

 業務と無関係な言動又は指導の範囲を超えた感情に任せた言動は、パワーハラスメントに該当する可能性があること。

 上司等の特定の言動又は態度が、パワーハラスメントに該当する場合であっても、地位、職権その他の職場における立場から、受け手において、それを明確に指摘し、又は拒否することができない場合が多いこと。

(3) 妊娠、出産、育児又は介護に関するハラスメントに関する事項

 制度等及びその利用について、正しい理解を深める必要があること。

 妊娠、出産、育児又は介護に関する否定的な言動は、妊娠、出産、育児又は介護に関するハラスメントの原因又は背景になること。

2 職員は、職場の構成員として良好な職場環境を確保するため、次に掲げる事項を認識しなければならない。

(1) ハラスメント等について疑問を提起し、又は責任を追及しようとする職員を問題のある職員とみなしたり、ハラスメント等に起因する問題を当事者間の個人的な問題として片付けたりしないこと。

(2) 職場においてハラスメント等に起因する問題を生じさせないようにするため、周囲に対し気を配り、必要な行動をとること。

(3) ハラスメント等に該当する言動を認知したときは、当該言動をした職員に対して注意を促し、及び当該言動の受け手に声を掛けて必要により相談に応じること。

(4) 妊娠若しくは出産をした職員又は制度等を利用する職員は、周囲と円滑なコミュニケーションを図りながら自己の体調又は制度等の利用の状況に応じて適切に業務を遂行していくという意識を持つこと。

3 職員は、ハラスメント等による被害を深刻化させないため、次に掲げる事項を認識しなければならない。

(1) 1人で我慢しているだけでは、問題は解決しないこと。

(2) ハラスメント等の防止及び排除をためらってはならないこと。

(3) 相手に対し、明確に当該行為又は態度がハラスメント等であることを指摘し、又は拒否の意思を表示すること。

(4) 信頼できる上司、同僚その他の職員又は次条に規定する苦情相談等窓口に相談すること。

(苦情相談等窓口の設置)

第7条 ハラスメント等に関する申出及び相談(以下「相談等」という。)に対応するため、苦情相談等窓口(以下「相談窓口」という。)を総務課に設置する。

2 相談窓口の職員は、相談等に係る当事者に対する助言等により、問題を迅速かつ適切に解決するよう努めるものとする。

3 相談窓口の職員は、相談等を受けたときは、ハラスメント等に関する相談受付・処理票(別記様式)を作成し、総務課長に報告しなければならない。

4 総務課長は、相談等に係る問題を解決することが困難であると判断したときは、相談等の問題解決のため、次条に規定する対策委員会の開催を要求するものとする。

(対策委員会の設置等)

第8条 ハラスメント等に関する苦情相談を審議し、公正な処理に当たるため、ハラスメント等対策委員会(以下「対策委員会」という。)を設置する。

2 対策委員会は、ハラスメント等に関する苦情相談について事実関係を調査するとともに、その対応措置を審議し、必要な指導及び助言を行うものとする。この場合において、対策委員会は、必要に応じて、関係者の出席を求めることができる。

3 対策委員会の委員は、副町長、総務課長、副町長が指名する管理職職員(男女各1人)及び職員組合が推薦する職員(男女各1人)をもって組織し、委員長には副町長を充てる。

4 対策委員会の庶務は、総務課において処理する。

(委員等の遵守事項)

第9条 相談窓口の職員及び対策委員会の委員は、次に掲げる事項を遵守しなければならない。

(1) 当事者の名誉及びプライバシー等を侵害することのないように対処すること。

(2) 当事者の意向を尊重し、解決を押し付けることのないように留意すること。

(3) 当事者に対し二次的なハラスメント等が及ばないように留意すること。

2 相談窓口の職員及び対策委員会の委員は、その処理に当たって知り得た秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も、同様とする。

(不利益な取扱いの禁止)

第10条 職員は、ハラスメント等に対する拒否、苦情相談等、当該苦情相談等に係る調査への協力その他ハラスメント等に係る正当な対応をしたことを理由に、いかなる不利益も受けない。

(対応措置)

第11条 公正な調査により、ハラスメント等の事実が確認された場合は、加害者の職員に対し服務規律違反として、必要かつ適切な範囲で、懲戒処分を含む措置を講ずるものとする。

(その他)

第12条 この訓令に定めるもののほか、この訓令の施行に関し必要な事項は、町長が別に定める。

この訓令は、公布の日から施行する。

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松野町職員のハラスメント防止等に関する要綱

令和3年6月1日 訓令第9号

(令和3年6月1日施行)