○令和3年度松野町担い手総合支援事業実施要領
令和3年6月18日
告示第66号
第1 目的
本町の農業では、従事者の高齢化と減少が急速に進んでおり、農業生産の確保と集落における農地の維持が困難になりつつある。このため、多様な担い手を確保・育成していくため、募集から研修、就農、経営発展、経営継承まで一貫した支援により、意欲ある担い手を確保する。
第2 事業主体(事業実施主体)
事業主体は、松野町とする。
事業実施主体は、次のとおりとする。
・「農業次世代人材投資事業及び就職氷河期世代の新規就農促進事業に係る研修機関認定要領(平成24年6月25日付け24農産(担)第305号)」で県が認めた研修機関であって、農業協同組合、JA出資型農業法人、市町農業公社、農業協同組合と協定を締結した農業法人とする。(以下、「研修JA等」という。)
・愛媛県立農業大学校アグリビジネス科のインターン研修の学生を受け入れるため、同校と協定を結んだ農業法人(以下、「研修農業法人」という。)
・就農予定時の年齢が50歳以上60歳未満の就農候補者(以下、「シニア就農候補者」という。)
・農業経営基盤強化促進法第12条第1項に規定する農業経営改善計画の認定を受けた者(以下「認定農業者」という。)
・集落営農組織(法人格を有すること又は経営主体としての実体を有している任意組織であって、定款もしくは規約を定め、共通の口座を開設して一元的な経理を行っていること)
第3 事業実施期間
事業実施期間は、令和3年6月18日から令和4年3月31日とする。
第4 事業の内容
なお、研修JA等がこの事業に取り組む場合は、別表1の1(1)イ、2(1)ア、3(1)アの取組みを必須とする。
1 募集
(1) 新規就農者募集活動支援事業(別表1 支援事業)
研修JA等が、新規就農者を募集するために行う次の活動を支援する。
ア オンライン相談体制確立
農業の就農相談体制の確立や農業への理解を深めるため地域に関する農業情報の発信などに必要な通信機器等の機材を整備する。
イ 就農相談会の開催
本町への就農を促進するため、県内外での相談会の開催、オンライン相談等に取り組む。
ウ 体験ツアーの実施
本町での就農を前向きに検討している就農候補者が就農までのイメージを膨らませることができるよう、体験ツアーを実施する。
2 研修
(1) 就農候補者研修支援事業(別表1 支援事業)
研修JA等が、就農候補者への研修を実施するために行う次の活動を支援する。
ア 新規就農候補者技術研修
就農候補者が就農に際して基礎的な技術や経営力が身に着けられるよう、農業の基礎知識、栽培技術、経営管理等の研修を行う。
イ 研修圃場の小規模基盤整備
研修圃場において、新たな技術の導入や栽培環境の改善、面積拡大等に必要な小規模の基盤整備を行う。
(2) アグリビジネス科学生受入法人機械施設整備(別表2 機械施設整備事業)
研修農業法人が、農業大学校アグリビジネス科の学生インターン研修を受け入れ、先進的な実習により即戦力となる人材へと育成するため、研修に必要な農業機械・施設等の整備を支援する。
(3) 就農候補者受入JA等機械施設整備(別表2 機械施設整備事業)
研修JA等が、就農候補者を次世代の農業者として育成するために、先進的技術の導入や、スマート農業等の効率的な経営の実践研修に必要となる農業機械・施設等の整備を支援する。
(4) シニア世代農業者就農支援事業(別表1 支援事業)
シニア就農候補者が、研修JA等において1年以上研修する際の経費を支援する。研修後1年以内に就農し、県が定める振興品目の栽培に取り組み、就農後1年以内に認定農業者となって地域を支える経営体となることが確実な者に対し、研修経費として1人あたり1,000,000円を交付する。
3 経営定着・発展
(1) 担い手経営発展支援事業(別表1 支援事業)
研修JA等が、新規就農者の経営安定に向けた研修や農作業体験を通じた婚活活動を実施するために行う次の活動を支援する。
ア 就農定着実践研修
就農後5年以内の青年農業者を対象として、農業経営を安定させ、地域へ定着させるとともに、将来の地域農業をリードする人材として育成するため必要な研修を行う。
イ 農作業を通じた婚活
就農後5年以内の青年農業者の既婚率を高めるため、都市の未婚男女に対し農業農村の魅力を発信し、農業体験等を通じた交流等による婚活を行う。
(2) 認定農業者機械施設整備(別表2 機械施設整備事業)
認定農業者が、地区で合意された人・農地プランに基づき、地域農業を支えていく中心経営体として、農地の集積による経営規模の拡大、経営の多角化・効率化等の経営改善に取り組み、地域農業の発展と活性化に資するために必要な農業機械・施設の整備を支援する。
(3) 新規就農者機械施設整備(別表2 機械施設整備事業)
研修JA等が、経営が不安定な就農後5年未満の新規就農者の経営発展を支援するため、青年等就農計画に基づき目標を達成するために必要な措置を実施できるよう、新規就農者とリース契約(研修JA等がリース契約する新規就農者を以下「リース契約者」という。)により必要な農業機械・施設の整備を支援する。
4 経営発展・継承
(1) 労働力データベース化支援事業(別表1 支援事業)
研修JA等(農業協同組合と協定を締結した農業法人を除く)が、農業者の労働力不足を補うため、農業労働力を円滑に確保し、農業経営の安定や規模拡大を図るため、需要に応じた農業労働力を調整する次の取組みを支援する。
ア 労働力のマッチングに向けたデータベースの作成
農業に興味を持つアルバイターを円滑に受け入れ、将来、就農にまで結びつけることができるよう、雇用に向けたマッチングを図るためのシステムづくりを行う。
イ 他産地との連携に向けた仕組みづくり
労働力の有効活用に向けて他産地と情報共有を図り、農閑期の地域と農繁期の地域が協力して、労働力の確保を円滑に行う。
ウ アルバイターと就業先のマッチング
データベース等を活用し、地域での就業の意向があるアルバイターと労働力を必要とする農業者をマッチングすることで、援農・就農の支援に取り組む。
5 経営継承
(1) 集落営農組織支援事業(別表1 支援事業)
集落営農組織が、将来にわたり組織活動を継続していくため、その経営を継承すべき者の確保・育成や近隣の集落営農組織と連携した労働力の融通、農業機械の効率的な運用など経営の効率化の取組みを支援する。
(2) 農地再生支援事業(別表1 支援事業)
集落営農組織が、集落内の農地を集積し、荒廃農地の再生や条件不利農地を改良し、新規就農者等が活用する農地へ改善するための小規模な基盤整備を支援する。
第5 事業実施計画の申請
3 1又は2の申請を受けた町長は、その内容を審査し、適当と認めたときは承認するものとする。
第6 事業実施計画の変更
2 事業実施計画の重要な変更は、次のとおりとする。ただし、下記の(2)において、適正に事業費の算定が行われている場合であって、入札等により生じた事業費の30%を超える減である場合は、重要な変更としない。
(1) 事業実施主体の変更
(2) 事業費の30%を超える変更
(3) 整備する機械・施設の変更、それらの仕様の変更、基盤整備の内容の変更
(4) 設置場所の変更
第7 町の助成
町長は、この要領に基づいて実施する事業に対し、予算の範囲内において、別に定めるところにより助成するものとする。
第8 事業の執行
本事業の実施に当たっては、「農畜産業関係補助事業事務の取り扱いについて(平成24年2月17日付け23農政第1429号)」に基づき、適正に執行されなければならない。
第9 就農状況の確認
事業実施主体は、補助事業終了の年度の翌年度から起算して5年間、事業対象者の就農状況を確認し、必要に応じて適切な指導を行うものとする。
第10 事業の適切な執行に向けた指導等
1 事業主体は、本事業を適切に執行するため、必要に応じ事業実施主体から報告又は資料の提出を求め、事業実施主体に対し適切な指導を行うものとする。
2 町長は、本事業の適切な執行に必要な場合は、事業実施主体に対し、報告又は資料の提出を求め、必要に応じて指導及び助言を行う。
3 町長は、本事業の完了後においても、本事業の適切な執行を確認するため、必要な限度において、事業実施主体に対し、本事業により導入した農業機械・施設等の利用状況等について報告又は資料の提出を求めることができる。
第11 その他
1 事業主体は、本事業の助成を受けて農業機械・施設等の導入を行った事業実施主体に対し、天災等により被災した際に円滑な再取得等が可能となるよう農業保険等への加入を促すものとする。
2 この要領に定めるものの他、事業の実施について必要な事項は、町長が別に定める。
附則
1 この告示は、令和3年6月18日から施行する。
2 別表1支援事業に掲げる事業については、交付の対象となる期間は令和3年4月1日から令和4年3月31日とする。
別表1(実施要領第4関係) 支援事業
事業内容及び対象経費 | 事業主体 (事業実施主体) | 採択要件 | 補助率 |
1 募集 (1) 新規就農者募集活動支援事業 ア オンライン相談体制確立 イ 就農相談会の開催 ウ 体験ツアーの実施 【対象経費】 ○賃金(臨時雇用) ○報償費(講師謝礼等) ○旅費(相談会参加旅費等) ○需用費(消耗品費、印刷製本費等) ○役務費(郵便料、電話料、通信費等) ○委託料(業務委託料) ○使用料及び賃借料(会場借上料・圃場使用料、借上げバス料、リース料等) ○備品購入費(就農相談用端末費用等) | 町 (研修JA等) | 1 新規就農候補者の受入体制を整備していること。 2 新規就農者の確保目標を設定していること。 | 定額 |
2 研修 (1) 就農候補者研修事業 ア 新規就農候補者技術研修の実施 ※1研修JA等に係る対象事業費は450千円とし、研修生受け入れ1名ごとに450千円を追加する。 イ 研修圃場の小規模基盤整備 ○小規模基盤整備 客土、区画整理、農用地保全(法面、畦畔整備等)、農道(園内作業道等)、農業用排水施設(水路、井戸、スプリンクラー等かん水施設、暗きょ排水等) 【対象経費】 ○賃金(臨時雇用) ○報償費(講師謝礼等) ○旅費(講師旅費、視察研修費等) ○需用費(印刷製本費、種苗費、肥料費、農薬費、燃料費、栽培用資材費等) ○役務費(郵便料、電話料等) ○委託料(業務委託料) ○使用料及び賃借料(重機等のリース料、農地賃借料等) ○工事請負費(小規模基盤整備費) | 町 (研修JA等) | 1 事業実施主体は年間の研修計画を作成していること。 2 研修生の研修期間は1年以上2年未満であること。 3 研修生は、研修終了後、1年以内に就農、もしくは農業法人等に雇用される見込であること。 4 研修生の年齢は60歳未満であること。 | 定額 |
2 研修 (4) シニア世代農業者就農支援事業 シニア就農候補者の研修経費 ※当該年度から研修を開始する者で交付対象期間は1年間、1回限りとする。 【対象経費】 ○研修経費 | 町 (シニア就農候補者) | 1 就農予定時の年齢が50歳以上60歳未満。 2 研修期間は1年以上2年以内で年間1200時間以上研修すること。 3 就農後1年以内に認定農業者になり、県の振興品目に取り組む者。 4 農業次世代人材投資事業等による国の支援を受けていないこと。 | 定額 |
3 経営定着・発展 (1) 担い手経営発展支援事業 ア 就農定着実践研修 新規就農者への技術や経営の研修の実施 イ 農作業を通じた婚活 農業体験等を通じた婚活の実施 【対象経費】 ○賃金(臨時雇用) ○報償費(講師謝礼等) ○旅費(講師旅費、研修旅費等) ○需用費(消耗品費、印刷製本費等) ○役務費(郵便料、電話料等) ○委託料(業務委託料) ○使用料及び賃借料(バス借り上げ料、会場・ほ場使用料等) | 町 (研修JA等) | 1 当該事業の対象者は、人・農地プランに中心経営体として位置づけられていること、又は位置づけられることが確実と見込まれること。 | 定額 |
4 経営発展・継承 (1) 労働力データベース化支援事業 ア 労働力のマッチングに向けたデータベースの作成 イ 他産地との連携に向けた仕組みづくり ウ アルバイターと就業先のマッチング 【対象経費】 ○賃金(臨時雇用) ○報償費(謝礼等) ○旅費(旅費、視察研修費等) ○需用費(消耗品費、印刷製本費等) ○役務費(郵便料、電話料等) ○委託料(業務委託料) ○使用料及び賃借料(会場借上料等) | 町 (研修JA等、農業協同組合と協定を結んだ法人を除く) | 1 地域への労働力の受け入れ態勢を整えるよう努めること。 | 定額 |
5 経営継承 (1) 集落営農組織支援事業 集落営農組織が、新規就農者等の経営を継承する者の確保・育成や他の集落営農組織と連携する活動 【対象経費】 ○賃金(調査員手当等) ○報償費(講師謝礼等) ○旅費(講師旅費、先進地視察研修費等) ○需用費(印刷製本費、種苗費、肥料費、農薬費、燃料費、栽培用資材費等) ○役務費(郵便料、電話料等) ○委託料(地図作成業務委託料等) ○使用料及び賃借料(バス借上料等) ○負担金補助及び交付金(研修会参加費等) | 町 (集落営農組織) | 1 集落営農組織が、人・農地プランの中心経営体として位置づけられていること又は位置づけられることが確実と見込まれること。 2 新規就農者等を研修や雇用、独立自営就農等の目的で受け入れていること、又は受け入れる見込みであること。 3 2の新規就農者等を組織の主要な構成員として位置づけていること、又は位置づける見込みであること。 4 連携活動を行う場合は集落営農組織の間で合意が得られていること。 5 集落単位での営農活動計画を策定していること。 | 2分の1以内 |
(2) 農地再生支援事業 集落営農組織が農地集積し、新規就農者等が活用する農地へ改善するための小規模基盤整備や荒廃農地再生 ○小規模基盤整備 客土、区画整理、農用地保全(法面、畦畔整備等)、農道(園内作業道等)、農業用排水施設(水路、井戸、スプリンクラー等かん水施設、暗きょ排水等) ○荒廃農地再生作業 荒廃農地の障害物除去(雑木等の伐採・伐根作業、除レキを含む)、深耕、整地および土壌改良(肥料の投入、有機質資材等の土壌改良資材の投入、緑肥作物の栽培等) 【対象経費】 ○賃金 ○報償費 ○需用費(資材費、肥料、土壌改良資材費等) ○委託料(業務委託料) ○使用料及び貸借料(重機等のリース料) ○工事請負費(小規模基盤整備費) | 町 (集落営農組織) | 1 集落営農組織が人・農地プランに中心経営体として位置づけられていること又は位置づけられることが確実と見込まれること。 2 新規就農者等を研修や雇用、独立自営就農等の目的で現に受け入れ、又は受け入れる見込みであること。 3 2の新規就農者等を組織の主要な構成員として位置づけていること、又は位置づける見込みであること。 | 2分の1以内 |
(注) 表中の下線部は必須の取組みを示す。
別表2(実施要領第4関係) 機械施設整備事業
事業内容及び対象経費 | 事業主体 (事業実施主体) | 採択要件 | 補助率 |
2 研修 (2) アグリビジネス科学生受入法人機械施設整備 県立農業大学校アグリビジネス科学生のインターン研修を受入れる農業法人の体制整備 【対象経費】 学生の受け入れに必要な宿泊施設の改修、農業機械・施設で研修に必要と認められるもの。 | 町 (研修農業法人) | 1 事業実施主体が年間の研修計画を作成していること。 2 農業大学校と研修生受入に係る協定を締結しているもしくは締結することが確実な農業法人であること。 3 1件当たり500千円以上耐用年数5年以上の農業機械・施設に限る。 | 定額 |
(3) 就農候補者受入JA等機械施設整備 就農候補者を受け入れる研修JA等の農業機械・施設の整備 【対象経費】 研修に必要な宿泊施設、農業機械・施設であって、就農候補者等の研修に必要と認められるもの。 また、既存の農業機械・施設等の単純更新は対象としない。 | 町 (研修JA等) | 1 事業実施主体及び就農を目指す研修生それぞれが年間の研修計画を作成していること。 2 研修計画に即したものであること。 3 研修を実施するうえで必要となる1件当たり300千円以上の農業機械・施設に限る | 定額 |
3 経営定着・発展 (2) 認定農業者機械施設整備 認定農業者が農地を集積し経営改善に必要な農業機械・施設の整備 【対象経費】 農業用機械(トラクター、コンバイン等) 農業用施設(ハウス、栽培棚等) ※倉庫、運搬用トラック、フォークリフト、ショベルローダー、バックホー等、農業以外の用途に使用可能な汎用性の高いものは対象としない。ただし、農業経営において真に必要であり、使用頻度が高く導入後の適正な使用が確認できる場合には、この限りではない。 | 町 (認定農業者) | 1 人・農地プランに中心経営体として位置づけられ、又は位置づけられることが確実と見込まれること。 2 農地中間管理事業を活用し、年度内に農地を集積した者であること。(年度内に集積ができない場合は対象としない。) 3 地域への貢献のための農業機械・施設整備であること。 4 農業経営改善計画に即したものであること。 5 1件当たり500千円以上耐用年数5年以上の農業機械・施設に限る | 2分の1以内 |
(3) 新規就農者機械施設整備 新規就農者の生産活動を支援し、経営を安定させるため、研修JA等が新規就農者へリースする農業機械・施設の整備 【対象経費】 新規就農者の定着や規模拡大を図るために必要となる農業機械・施設。 | 町 (研修JA等) | 1 リース契約者は、就農5年未満の農業経営基盤強化促進法第14条の4第1項に規定する青年等就農計画の認定を受けた者(以下「認定新規就農者」という。)であること。 2 整備する農業機械施設はリース契約者の青年等就農計画に即したものであること。 3 リース契約者は、人・農地プランに中心経営体として位置づけられていること、又は位置づけられることが確実と見込まれること。 4 1件あたり300千円以上の農業機械・施設に限る | 3分の2以内 ただし、補助金のうち、町負担分の上限を3,000千円とする。 |
※対象となる農業機械・施設は原則として新品とする。
※園芸施設共済の対象となる施設の整備をする場合、気象等による被災に備えて、農業共済制度、民間の損害補償保険等(天災等に対する補償を必須とする。)に確実に加入するものとし、当該施設の耐用年数に相当する期間において加入(補償)が継続されるものとすること。
別表3(実施要領第5条関係)
事業ごとの提出書類一覧表(支援事業)
別表4(実施要領第5条関係)
事業ごとの提出書類一覧表(機械施設整備事業)